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【前回の記事からの続き】
立ち位置には手羽くんの姿は見えず、周りでは既に作業員さんたちが忙しそうに仕事を始めていました。
先ほど、手羽くんが腰掛けていた縁石のあたりを見ると、
誰かが仰向けに倒れている。慌てて坂道を駆け上がっていると、作業員さん達が「なんだ？なんだ？」みたいな顔をこちらを見たので
私
「すいません！ウチの若ぇモンが倒れているんですけど！」
作業さんS
「ええーっ！？」
でも、側に行くまで
手羽くんは仕事したくなくてワザと倒れたフリをしている
とか
寝不足で眠ってしまっただけ
とか思っていたんです。
私
「手羽くん！どうした！？起きろ！」
何度呼び掛けても起きる様子は無くて、揺すったり叩いたりしても反応がありません。
一応呼吸はしてるけど
意識は無い状態。
現場の人
「ど……どうしたらいい？救急車呼んだ方がいい？」
現場で隊員が怪我や急病になった場合、会社に連絡して指示を仰ぐのがスジですが、
意識が無いと云う事は
原因はどうあれかなり危ない状態でしょう。
会社に連絡するより救急車を先に呼んだ方が人道的には得策だと思い
私
「救急車呼んで貰っていいですか？私は会社に連絡入れますんで」
と、坂下の自分の立ち位置近くの自車まで携帯を取りに。
（携帯を携帯していませんでした）
所長
「はい、○○警備です」
私
「れのんです」
所長
「おー、れのん君か、どうした？」
私
「手羽くんが倒れました！」
所長
「
ぬわにぃ～！？倒れたとはどういう事だ！？」
私
「倒れたって……倒れたって事ですよ！息はしてますが意識はありません。そーゆー状態です。
なので現場の人に救急車呼んで貰いました」
所長
「判った、すぐ行く！」
そして、坂をまた駆け上がり、暫くすると救急車が到着しました。
救急隊員
「この人、何か持病とか飲んでる薬はありますか？」
私
「あっ、そういえば
糖尿病だって云ってました」
救急隊員＆現場の人
「糖尿病！！」
糖尿病だと処置の仕方が変わって来るとかなのか、単に手羽くんが糖尿病になるには若すぎるからなのか酷く驚いていました。
私
「あと、眠れないとの事で睡眠薬を飲んでたらしいです」
救急隊員
「睡眠薬……と（書類に記入）」
そうこうしているウチに所長が到着。
所長
「昨日も
睡眠薬飲み過ぎて起きれなくなって現場に穴開けたんで心配はしてたんですが……まさか倒れるとは……」
監督
「え？昨日来れなくなった警備員って
この子か！」
私でさえ云わなかった事を自分からバラしてしまった所長。
そんな所長を付き添いにして手羽くんは救急車で運ばれて行きました。
＊ ＊ ＊
その後
手羽くんはお昼頃、病院で意識を取り戻したとの事です。
所長は、医者から云われた“原因は解らない”を力説していたんで
そんなに責任逃れしたいのか？って感じが半端無いです。
確かに、睡眠薬の副作用や持ち越し効果で失神までするか？とは思うんですけど、
睡眠障害で睡眠薬を処方されてるんなら抗不安剤等も処方されててもおかしくは無いし、
糖尿病や
花粉症もある訳ですから、それらの薬の飲み合わせが悪かったのかもしれない。
それを
全部知っていながら無茶ぶりした所長も所長ですし、
自分の体の事を知らなさ過ぎる。イエスマンの手羽くんも手羽くんですし、
所長の無茶を止められなかった私も私です。
（まー、私の云う事なんて聞きやしないでしょうが）
というか、手羽くんが転職するって話はどうなったんやら……
転職してたらしてたで、新しい職場に馴れないストレスで病気が酷くなったりするんでしょうが。
休憩中に倒れたのが何と云うか不謹慎な言い方ですが、不幸中の幸いでした。
仕事中に倒れられたらエライ事になりますし、倒れた場所が悪ければ、一般車に轢かれる危惧もありましたから。
さらに次の日の下番報告時、
所長
「監督さん、何か云って無かった？」
私
「手羽くんに関してですか？特に何も」
所長
「そうか♪」
「そうか♪」じゃねぇよ(怒)
L(ﾟ皿ﾟﾒ)」云って無くても
「あの所長、あの子体悪いの知っててウチの現場に寄越したって何なんだ（(怒)）」
ぐらい思ってて当然だと思いますよ。
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