出るんです。

☆




白菜を代用した豚汁は、不味くはないんですが何だかやっぱり一味足りませんでした。

キャベツを入れると独特のまろやかな風味が出ていいんですよ。

なんて言うんですか？優しい味わい？そんな感じになるんです。

そんな一味足りない豚汁をデカイ鍋イッパイにつくっちゃった私の運命やいかに！？

あ、すいません。豚汁どうでもいいですね。

ダンプ伝票、忘れないで監督に渡しましたよ。
めでたし。めでたし。

ところで、私の立ち位置のすぐ横に廃屋がありまして。いや、それこそみっくが警備員デビューした頃はお爺さんだかお婆さんだかが住んでいたんですが……今はすっかり瓦も割れてるしあちこち壊れてるし、いかにもって程の廃屋なんですよ。

で、そこの廃屋の草ボーボーの庭に……


出るんですよ。

いや、あんなにハッキリと至近距離で見たのは私も始めてです。

結構長い間そこにいたんですが、私と目が合うと消えてしまいました。

ええ、











タヌキが。




―――――――――――――

※画像は去年テキトーに編んだ編みぐるみです。
テキトー過ぎて編み図も起こせません。しかも、中に詰めているのは綿とかじゃなく毛糸くずというテキトーぶり。

鶏になりかけてるヒヨコっていう設定です。









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レーテの川の水を飲んだ警備員

☆



今日終わりしまダンプさんから伝票預かったんですよ。

ダンプさん
「監督に渡すのわすれたー！渡しといてけろー！」

私
「(笑)、わっかりましたー！お疲れさまでーす」

いや、しかし、私の事ですから
ダンプさんがわたし忘れた伝票をわたしがわたし忘れる

なんて、お約束みたいな展開がこの後待っているような気がしてなりません。

※前科有り（しかも数回）

いや、忘れちゃいかん。絶対に忘れちゃならん。そこまでボケたら最近アルツ風味の所長の悪口とかいえないやん。

ダンプの伝票ダンプの伝票ダンプの伝票ダンプ伝票……

仕事がきっちり終わるまで呪文のように脳内で繰り返し唱えていました。

しかし、

ダンプの伝票ダンプの伝票ああ腹減ったなあダンプの伝票今日豚汁なんてどうかなダンプの豚肉あるし伝票野菜もあるし豆腐と蒟蒻もあるしダンプもあるし伝票もあるし……あっ！キャベツないな！私はキャベツの入った豚汁が大好きだが、キャベツがない！しかし、買いに行くのは面倒だ。ここは涙を飲んで白菜で代用しよう。
そう、白菜で代用白菜で代用白菜で代用……

…………………………
…………
……(泣)

ダンプさんごめんなさいいっ！

明日の朝、ちゃんと渡します！






……たぶん。









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思い出ぼろぼろ

☆


この現場、そういえば
みっくが警備員デビューした場所だよなあ……

片交教えてた兎軍曹（この頃はまだ鬼軍曹でした）が、私の立ち位置までみっくほっぽり出して歩いてきて（新人をほっぽり出してはいけません）
「れのちゃん！あの子現場はじめてなの！？」
と、叫ぶ。
なんかやらかしたのかと思ったら
「もう、全然大丈夫だよ。何も教える事ないから遊びに来た♪」
と、鬼瓦のような顔を目一杯ニコニコさせて余計恐い……あ、いや、なんか物凄く機嫌が良くなってしまってました。

あのとき、頑張ったみっくに飲み物買ってやった自販機はもうなくなってしまったなあ。
床屋さんも店たたんでしまったなあ。
のしのし歩いていたふてぶてしい黒猫は居なくなって、代わりに茶トラの猫が闊歩してるなあ。

でも相変わらずクソ狭い道路なのに大型車がバンバン通るなあ。

あの時、無線の文言がどー聞いても怪しい中国人みたいだったみっくも、その後ガンガン仕事覚えて短期間で上級者になったなあ。

なんて考えながら仕事してます。

(￣▽￣;)

そういや、この現場、警笛使っちゃいけなかったんだっけ。
寝たきりのお婆さんを介護してるお宅があるから。
ディサービスの車も来るから気を付けなくちゃ。

…………。

……ディサービス来ないな。

そうか、あれから９年も経ったんだもんなあ…………









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